楽天かamazonか

amazonがはじめて日本国内の売上高を正式に公表しました。

その金額は、実に7300億円にのぼります。

売上高については、今までもamazonの方からおおよその数字は聞いていましたが、最近の急激な成長で一気に日本有数の小売業者になった格好です。

楽天さんの売上高自体は課金収入で計算されますので、amazonと単純比較はできません。

楽天市場の流通総額は1兆4千億円になりますから、まだまだamazonとは大きな差があるでしょう。

 

しかし、日本型小売業の形を作った、といわれる楽天の仕組みそのものが一人勝ちといえる状況ではなくなっているのも事実です。

楽天は、基本的には中小事業者が創意工夫でハイタッチなサービスを展開していくことで顧客ロイヤリティを高めていく方向でした。販売方法やサイトの制作は基本的に出店事業者に一任される形でした。

それが自由な競争を生むとともに、いろいろな販売方法の工夫が凝らされ、サイトの魅力につながっていたことは事実です。

一方高度な自動販売機、ともいえるamazonもプライムサービスの発足により非常に高い利便性を顧客に提供しています。

 

今後ですが、私はamazonがさらに楽天との差をつめるだろうと予想しています。

楽天の場合商品点数の多さやポイントなどの利点がありますが、やはり決定的に使い勝手の悪いインターフェースや検索性能、、さらになによりも複数の店舗にまたがって購入した場合それぞれ別途決済をしなければならず、その上それぞれ送料がかかる、という欠点があります。
送料については、今後全部無料にする方向を楽天も考えていますが、根本的に商品のハンドリングを個別事業者に任せている以上、仕組み的に解決しない問題は残るでしょう。

一方amazonは、味気ないともいえる商品ページで今後ファッションや食品をどう売っていくかという問題があります。
システム的な解決はjavariがひとつの回答だということですが、やはりまだまだだといえます。

しかし、送料、返品対応、配送の迅速さ、決済などの統一性や利便性はハンドリングそのものを握っているamazonに大きなアドバンテージがあるでしょう。

今後、それぞれが自社の欠点をどのようにカバーしていくかが注目されます。

マクドナルドの60秒サービスは”退化”

日本マクドナルドが、ピークタイムに60秒で商品をサーブできなかったら、バーガー類の無料券を配る、というキャンペーンをはじめました。

すでに巷では「ラッピングが汚い」「中身がぐちゃぐちゃ」など不評ですが、そもそもマクドナルドがサーブタイムをわざわざキャンペーンとして打ち出すこと自体、今の同社の苦しさを表しているといえます。

もともとマクドナルドは、商品をストックして即時にサーブすることを「売り」にしていました。当時はピークタイムは「30秒以内にサーブする」ことを目標としていましたが、それはあくまで数多くあるマックの内規のひとつでした。

しかし、ビンストックを作ってサーブする方法の場合、10分間という「ホールディングタイム」を過ぎた商品は廃棄する規則であったため、この「完成品ウエスト」のコストがバカになりません。10分のホールディングタイムでウエストを出さずに製造量をコントロールするには一定以上の客数がいることが条件になります。
客数の減少に伴う廃棄ロスコストの上昇で、マックは「made for you」というシステムを開発。長年のストックオペレーションをやめ、受注製造に切り替えてきました。

当然ある程度のサーブ時間は犠牲になりますが、今回キャンペーン展開していることからわかるように、受注製造でも60秒でのサーブは可能だったわけです。

本来マクドナルドは顧客サービスに関しては他社の追随を許さない徹底したオペレーションをおこなう企業であり、物理的に60秒でサーブできるものであれば「して当然」という考え方があってしかるべき企業だったはずです。
それがわざわざ60秒でサーブすることを宣伝しなければならないほど手詰まりになっているのが現在のマックなのでしょう。

しかも、60秒でサーブすることを主眼にし顧客がなおざりになっているオペレーションが横行するありさまです。

ラッピングの不備など、上記に記載したことももちろんですが、私が経験した例ですと、意図的にレジ台数を減らすということもおこなわれていました。
つまり、カウンターに使用可能なレジが4台あり、クルーが4人いたとします。
お客が列を作っていても、レジを2台しかあけずに、レジを受けない2名を「バックアップ」といってドリンクを作ったり商品を並べたりする仕事をさせます。
いってみれば1台のレジを二人がかりで捌くわけです。

こうすると当然サービングタイムは短縮されますが、レジが2台しか開いていないわけですから、列に並んでいるお客が希望の商品を手に入れるまでの時間そのものは、特に短縮されません。
4台オープンして2分でサーブしても同じことです。

結局たいしてユーザーにメリットは無いわけで、それどころか60秒以内を目指すあまり商品のクオリティが落ちるという「あってはならない」事態が発生しているわけです。

外食産業で無敵の強さを誇ってきたマクドナルドは、キャンペーンの力や商品開発力はもちろん、他社の追随を許さない「徹底した品質とサービスの管理能力」が、その力の源泉でした。
これは表面上の分析ではわかることではなく、また例え他社がマネをしようにもあまりにも厳しい品質基準やサービス基準であるため、とても採用できるものではありませんでした。

「無敵」であったころのマックであれば60秒サーブを声高に宣伝することも無かったでしょうし、サービングタイムの基準を守るために品質が低下することを許すこともなかったでしょう。

なぜマックが無敵だったのか?

その原点に立ち返ってもらいたいものです。

無料パンツ

これはまた変わった広告媒体が出てきたものです。
希望者にパンツを毎月無料で送る、そのパンツには
広告が掲載されている、というものです。

着眼点としては、面白いといえば面白いですね。
ニュースネタとしては。

しかし、これがビジネスになるかといえば、その可能性は
ほとんど無いでしょう。

ビジネスを展開する企業が主張するように、確かに目には
触れます。
見られるかどうかわからない広告と違い、ほぼ確実に
目に触れる、という主張そのものは間違ってはいないでしょう。

一方、ではどういう層に広告を見せることができるのか?
という問題があります。

無料の広告が掲載されているパンツなんて普通の神経では履けませんね。
そうそう人に見られるようなシチュエーションがあるわけでは
ないでしょうが、心理的には相当な抵抗感があるのが普通です。
ファッションや身だしなみにある程度気を使う人であれば、これは
履けません。
すると、どうしてもそういったことに無頓着な層が中心になります。
はたしてどういった層なのか?
想像するとかなり商材的には制限されることになります。

さらに出稿する企業側の抵抗感も相当なものでしょう。
自社商品がパンツに掲載されている、というのはあまり喜ばしい
ものとはいえません。

これらを考え合わせると、この広告の仕組みがビジネスとして
機能する確率は、ほとんど無いと言っていいでしょう。

まさか、この仕組みを展開する企業も本気で広告媒体としての
地位が築けるとは思ってはいないと思いますが。
単なる話題づくりであれば、納得できますが、「確実に目に触れる」という
点のみクローズアップして、考えてしまうと、こういうトンチンカンなものが
出来上がってしまいますね。

EC運営の基礎その1、ストア開店準備小売業としての基本を押さえる。

ECサイトを考える場合、意外とおろそかにされがちなテーマが「小売業としての基本」についてです。

ECというのは、基本的には小売業であり販売ツールがインターネットを使ったWEBサイトである、というものですから、まずは小売業として成功するための基本がきちんとできているかどうかがもっとも重要な部分になります。

この点については、弊社では何度もいろいろなメディアを通じて言ってきたつもりですが未だにECを語るときにおろそかにされているように思えます。
しかし、弊社ではEC成功のためのもっとも重要な部分は、小売業としての基礎の構築にあると考えています。

極論してしまえばECの成否の7割はこの段階で決まると言って良いと思います。小売業として、どう競合に競り勝っていくか?このテーマの答えが出るまでは、WEBがどうの、出店モールがどうのといったことを考える必要はありません。むしろ考えるべきではありません。

では、大きくどのような点を押さえていけば良いのでしょうか。

1,商品
当たり前ですが、これがもっとも重要です。
商品については、質と量の双方からアプローチする必要があります。
質はいうまでもなく、商品力。価格に対してどれだけ価値を提供できる商品であるか?ということです。
いわゆるプロバー商品を扱う場合は、商品そのものは他社と同じものを扱うことになるわけです。価格に対してモノの価値を上げ下げするのことができないわけですから、当然価格の方を調整することになります。
プロパー商品を扱う場合、価格競争が避けられないのは至極当然のことといえます。
量というのは、まずは全体の商品数。
基本的には多ければ多いほど良いと考えてください。ECが実店舗に比べもっとも優位な点は低コストで販売商品数を増やせるという部分です。坪効率といういうものをほとんど考えなくて良いECの利点はフルに活用しなければなりません。
さらには、ひとつひとつのSKUそのものの販売可能数という意味での量もあります。
人気の商品があるとしたら、それをどれだけ多く確保できるのかというのは非常に重要なテーマになります。
特にECでは「売り切れ」という状態は、ユーザーに非常に不快感を与えます。単純な機会損失以上の損失があると考えたほうが良いでしょう。
これらは、在庫政策、資金計画に密接に関係します。言い換えれば資金計画、在庫政策をキチンと立案していくことと切り離しては考えられないということです。

2,マーケティング
マーケティングというと少々広義になりすぎますので競合比較と言い換えても良いと思います。
商品のところとリンクしますが、自社で販売する商品が競合他社に対しどのような優位性があるか?ということです。
残念ながら多くのECはここが非常に曖昧なままビジネスを展開しています。
ポイントは大きく分けて
価格優位性、商品構成、販売付随条件
の3点になります。
もちろん、一番良い商品で商品数も抜きん出ており、最安値、なら売れるのは当たり前ですが、そんなことはありえません。
しかし、理想はそこにありますので、どれだけベストの状態に近づけるか?が重要なテーマになります。
この場合、ストアの力というのは、3点の総合力になります。
例えば、Aという人気商品を扱っていたとします。
競合に比べ価格設定はどうしても少し高くなる。しかし、例えば送料等の部分が安くできるのであれば支払い額で優位にたてるかもしれません。送料がそれほど変わらないとしても、商品点数が多かったら?Aと一緒にBも欲しいユーザーはAとB両方を買える店での総額で比較します。
このように力点をどこに置くか?どのように組み合わせれば優位点を築けるか?を精査する必要があります。
これには前提として競合調査が必要ですがECの場合、WEBを何日か巡回すればおおよそ競合の状況は把握できます。

3、利益構造
簡単にいえば、どのようなビジネスモデルでショップを運営するのか?ということになりますから当然利益構造とセットで考える必要があります。
商品の売価設定は利益額に直結しまし、送料や各種手数料、在庫金額などすべて利益に影響を及ぼします。

4、資金回転
さらには、資金回転もセットで考える必要があります。特に小売業というのは、その特性上、営業利益があがるようになるまではある程度時間が必要です。
一方、クレジットカード、代金引換以外は売掛に相当するのものがなく、その回収スパンも非常に短いため、資金が回転しやすいという特性があります。
私自身の経験でも、月商3000万程度でも純利益は出ず、キャッシュフローだけで経営していたこともあります。
おおよそ、上記の4点をセットにして考えストアの強み、勝負どころを決めていくことになります。
この部分をおろそかにしてショップを立ち上げても100%失敗します。
非常に大事な部分ではありますが、ここをツメていくのは非常に大変な作業であり、しかも一筋縄ではいきません。
ストアの開店作業のように目に見えて日々進歩するわけでもありませんし、自分の店ができているという実感がもてるわけでもありません。
どうしても、早く楽なほうにいきたくなりますが、この段階をおろそかにして先に進むのは飛び降り自殺のようなものです。

十分に時間をかけ、納得できるモデルを創り上げてください。

急激なオーダー増加や配送問題等でお困りの店舗様

現在、震災の影響による物資の不足が原因で特に生活必需品を扱われている店舗様中心に急激なオーダーや問い合わせの増加、イレギュラーなオペレーションの対応等に苦慮されている店舗様も多いかと思います。

ご支援できる内容はある程度限られますが、とりあえずご相談ください。
「現在の問題が解決するまで」という限定的、短期的なお問い合わせでも結構です。

短期的なオペレーションの支援等も内容によっては可能な場合がございます。
とりあえずお問い合わせください。

危機管理の重要性

昨年は、JR西日本の事故、某サイトのウイルス感染による閉鎖など企業の危機管理の重要性を再認識させられる事件が多かった。
危機管理というのは常に可能な限りの状況を想定しておくことが重要である。
さらにそれらをスタッフに定期的に教育しておく必要がある。
気の利いた企業だと危機管理のハンドブックのようなものを全従業員に携帯させているところもある。
危機管理についての徹底は、「おこってから」では遅い。
一見直接売上げに寄与しないので、「無駄なコスト」に感じられるかもしれない。
しかし、それを怠ったがために例え一定の期間でもビジネスがストップしてしまったら、普通のショップではたちまち資金繰りに行き詰ってしまう。
特にセールスが大きくなればなるほど、いざという時の損害も大きい。
今こそ、自社の危機管理システムを見直す好機であるような気がする。