今更ながらBES(BEP)について

小売業というのは、そもそも在庫負担というものが非常に重くのしかかってきます。

在庫のコントロール手法はさまざまありますが、多くは販売予測に対して在庫を割り当てる考え方ですね。
しかし、販売予測ほどアテにならないものも無いので、概ね在庫が過剰になったり、品切れが続出するという結果になります。
これは、売上予測の精度に問題があるわけではありません。
そもそも売上予測なんて、当たらないので、当たらないものをアテにして在庫を手当てしなければならないという点に問題があるわけです。

この問題の完全な解決方法はありませんが、かなり劇的に改善できる方法はあります。

しかし、今日の本題はそこではありません。

小売業の投資収益率を圧迫する大きな要因である「在庫」は多くのネットショップでは問題になっていません。
最近では受注発注方式が普通になってきているので、余剰在庫が発生する率は極めて低く、在庫回転が年間100回転なんていうのも普通です。

通常の実店舗では年間3回転くらいの業種が多いので、普通に考えればネットショップで利益が出ないはずがありません。

では、なぜこうも赤字の店が多いのでしょう?

私の経験上多いのは、ネットショップだからと安易に開店してしまい、小売業の基本がまったくできていないケースです。

実店舗であれば、初期に大きな投資がかかるので当然十分な調査と準備をして開店します。
都内の23区で1Fに店を構えるとなると、なんだかんだで数千万かかりますから、慎重になるのも当然ですね。

早い話が、同じような心構えでネットショップに参入すれば良いってことなんですが、それで話を終わりにしてしまうと身も蓋もありません。

で、今回はせめてここに気をつけてくださいというポイントなんですが、それが標題の「BES」(またはBEP)

日本語でいうと損益分岐点ですね。

ネットショップというのは恐ろしいほどの変動費の塊です。

経費というのは固定費と変動費に分けられることはご存知かと思いますが、初期にはどうしても固定費負担が気になってしまいます。
ネットショップ参入が容易なのは、この固定費が非常に低いからです。
だからといって安易に参入すると、変動費の恐ろしさにあとから気がつくことになります。

小売業というのはそもそも変動比率が非常に高い業種なんですが、ネットショップはその最たるものです。
変動費が高い場合、損益分岐点を超えても利益金額は非常に薄いものになります。
固定費が高い業種の場合は分岐点までの赤字が大きいかわりに、分岐点を超えた場合一挙に利益が増えます。
しかし、変動費型の場合は分岐点を超えても経費も恐ろしい勢いで増えます。

こういうビジネスの場合は戦略的な投資や経営が不可欠で、勘でどうこうなるものではありません。

せめて自社の損益分岐点くらいはキチンと把握しておき、損益分岐に届くまではどのようにキャッシュフローを確保するかを考えることが非常に重要になります。
是非きちんと計算してみてください。

損益分岐点 = 固定費 ÷ (1-(変動費÷売上高))

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