経営に生かすための財務諸表の読み方作り方 その1

前回のエントリーで、損益分岐点くらいは把握しておきましょうね、っていう記事を書きましたが、これだけではなにがなにやらって方もいらっしゃると思います。

今回から少し「経営に生かすための財務諸表の読み方作り方」っていうのを書いていきたいと思います。

多くの経営者の方とお話をして驚くのが、ほとんどの方が財務諸表は決算で税務署に提出すつためのもの、くらいに捉えているという事実です。
年に1度しか作成せず、それも経理と税務署に丸投げ。
出てきた数字をみて、これじゃ税金が高いからこうしろああしろ、っていうことに使うくらい。

これは実は非常に恐ろしいことです。
以前にも何度か書きましたが、計器を見ないで飛行機を飛ばしているようなもんで、いつ墜落しても不思議はありません。

利益が出ないのも、キャッシュがショートするのも、根本的な理由が全然わかりません。
「いや、長年自分で会社やってるんだ、それくらい数字見なくてもわかる」という方。

もし本当なら、余程売上が低く経費もほとんどかかっていないか、1万人に一人の天才かのどちらかです。

私は凡人なので、そんな恐ろしい経営はできませんでした。
ましてや小売業、ECでは必須です。
エンドカスタマーを相手に商売をする場合は、取引金額(A/C)が低く、取引回数(T/C)が多いです。
しかも在庫管理の最小単位であるSKUも多くなりますので、これが勘でわかったら本当に天才です。

財務諸表、とりわけ損益計算書(P/L)には重要な情報が沢山詰まっています。
キャシュフローはP/Lではまったくわかりませんが、どこでコストを喰っているのか、どこが改善すべきポイントか、なんてのは当然ですし、飲食業なんかだとサービスが低下しているとか、これじゃ店の掃除もできてないだろうなんてことも凡そ見当がつきます。

では、皆さんが取り入れていくにはどうしたら良いでしょうか。

まず、大前提なんですが「経理なんて1円も生まない後追い仕事」という考えは綺麗に捨ててください。
そう思うのであれば、このエントリーは読んでもムダです。

じゃ、どうしよう、という場合ですが、いくつか下準備が必要です。
これは少し時間がかかると思います。

・毎月きちんと計算をすること

これは実際には経理ソフトが無いと難しいでしょう。
あれば、簡単にできます。入力さえすれば。
コツは入力をまとめてしないことで、デイリーでするべきです。

・正しい費目に計上すること

経理担当者に任せきりですと、ここが曖昧になります。
経理担当にとっては、税法上問題が無ければ正しい計上だ、ということになります。
しかし、経営にとってはそれではダメです。

例えば、送料無料と送料別の売上があるとします。
経理は面倒なので、送料別の売上も送料と合算して(つまりユーザーから入金される金額と同額)を売上にしてしまったりします。

運賃は運送会社からの請求書で計上しますから、お尻の数字(営業利益)は合いますが、実際に送料負担がどの程度経営を圧迫しているのか全然わかりません。
ただ単純に今月はヤマトへの支払いが多いなぁ~とか、そういう感想しかもてません。
下手すると送料負担が大きいから利益が出ないんだ!
なんて飛躍した結論を導き出したりします。

この場合正しい方法は、売上は商品金額にして、ユーザーから受け取った送料分は経費費目の送料部分に計上します。
するとP/Lの費目に現れる数字は、実際に送料無料にして負担している金額だけになります。
送料を少し上乗せしていたりするケースもありますから、そのような施策のインパクトが正確に把握できます。

酷いケースでは、良く決算書のテンプレートにある「荷造り運賃」をそのまま使っているケースです。
ECでは送料や、発送資材というのは大きな変動費です。
これをゴチャゴチャのひとつの費目に計上してしまっては、経営の改善などできるはずもありません。

他にも多くの費目について同様の整理が必要になります。
費目は別に決算書のテンプレートと同じである必要は無いのですから、自社にあった費目を作成しなければなりません。

まず、ここまでが準備編です。
場合によっては経理のやり方を大きく変えることになり、経理担当者からは抵抗を受けるかもしれませんが、間違っていることは正しくしなければ経営の改善はできません。

繰り返しますが財務諸表というのは経営の指標にすべく存在するので、税金を払うためにあるのでは無い、ということを認識してください。

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