パレートの法則、については今さらご説明するまでもないと思います。
ところがECのプロダクトミックスの場合、一般的にはなかなかこの法則が当てはまりません。
一般的な傾向としては、突出して売れる商品がいくつかあり、その他多数の商品が
ロングテールを構成する、というパターンになることが多いようです。
簡単にいえば、80対20にはならず90対10だったり95対5だったりします。
初期のストア、また売上が思うように伸びないストアは「突出して売れる商品」が無く、売上を伸ばすとっかかりが無い、ということが多いようです。
売上を伸ばしていくためには、なんとか「突出して売れる商品」というものをひとつでも良いので確保する必要があります。
もちろん、独自ドメインでストアの知名度がある、というようなケースではストア名での囲い込みが可能ですから、この傾向は弱くなりますが、一般的なストアの場合は売上を引っ張る商品を育てることが全体の売上を伸ばす早道であることが多いようです。
特にモール出店の場合は、その傾向が顕著です。
モールはその特性上、ストア名云々よりも商品を切り口としてモール全体の商品をソートして表示します。
ひとつでも売れている商品があれば、その商品を入り口としてユーザーを誘致することが可能になります。
一部上場クラスの総合通販がモールでは、なかなか上位にいけないのも、このような理由によるところが大きいでしょう。
また、コスト面から考えても1000なり2000なりの商品に均等に力を入れるというのは、あまり現実的ではありません。
余程スタッフが充実していればともかく、大体において十分に機能していない商品ページが数だけあがる、ということになりがりです。
資金的制約、スタッフの問題などお持ちのリソースによりプライオリティは変わってはきますが
1、可能な限りの商品数をアップする
2、売上を牽引する可能性のある商品のページ、導線等を徹底的に検証する
3、アドバタイジング等を織りまぜ、売上を牽引する可能性のある商品の露出を増やす
4、売上を牽引する可能性のある商品からの回遊導線を精査する。
5、回遊されている商品の商品ぺージ等をテコ入れする
という順番で進めるのが比較的効率が良いでしょう。
あとはこのサイクルをふくらませていくことになります。
また、売上を牽引する商品にも「寿命」というものがあります。商品のライフサイクルが終わる前に、また別の商品で同じサイクルに突入していくようにしていくことが重要です。
売上を牽引する商品が探せない場合、次善の策としては「誘致が多い」商品を前面に出すという方法もあります。
つまり単価が低く売上には貢献しないが数は出る、という商品です。
特にモールが全店舗の商品の表示優先度をつける場合、販売数というファクターはかなり重視されます。
これは当たり前で500万の商品がたまたま売れたとしても、その商品を求めているユーザーが多いとは考えにくいですから、数が出ている商品を露出する、という考え方になるわけです。
一種の広告塔として考えれば、このような商品も売上を伸ばしていく上では非常に重要な商品といえます。